運動不足だけじゃない!デスクワークに潜むリスク【対策編】

【リスク編】ではデスクワークが身体におよぼす悪影響を紹介しました。
【対策編】では、その対策を紹介します。

本記事は「運動不足だけじゃない!デスクワークに潜むリスクとその対策【リスク編】」の続きになります。【リスク編】を読んでいない方は、【リスク編】からお読みいただけると、本記事をさらにお楽しみいただけます。

「デスクワーク」中にできる対策

座りすぎはさまざまな病気を誘発したり、姿勢や骨盤などがズレてスタイルが悪くなったりすることが分かりました。

対策はシンプルで、座りすぎなければ良いのです。とは言っても、デスクワークで働いている以上それは難しいので、デスクワークでもできる具体的な対策を紹介します。

1.座ったまま動く

難易度:★☆☆☆☆
効果 :★★☆☆☆

腰をひねったり背伸びをしたり貧乏ゆすりをしたりと、座ったままできるストレッチや運動を行って、血流を良くします。しかし、あまりバタバタしていると周りに迷惑をかけてしまうので、迷惑をかけない範囲で行ってくださいね。

2.正しい姿勢で座る

難易度:★★☆☆☆
効果 :★★★☆☆

正しい姿勢で座れば、骨の歪みや血行が悪くなるのを防げます。

正しい座り方は、イスに腰を深くかけ、背もたれに軽く寄りかかります。これによって、猫背や反り腰になるのを防げて、姿勢が安定します。慣れるまでは時間がかかりますし、窮屈に感じてしまうかもしれません。

3.1時間に一回立って動く

難易度:★★★☆☆
効果 :★★★★☆

「在宅ならともかくオフィスでそんなことできるか!」

そう思った方、何も立って踊れと言っているわけではありません。トイレに行くだけで十分です。とにかく座っている時間を小分けにして、座りっぱなしの時間を少しでも短くできれば大きな効果があります。他には、報告や連絡などを兼ねて、誰かのもとを訪れてみるのも良いかもしれません。

しかし、あまり席を立ってばかりだと、落ち着きのない人だと思われてしまうので、1時間に1回くらいできれば良いでしょう。

4.スタンディングデスクにする

難易度:★★★★☆
効果  :★★★★★

デスクをスタンディングデスクにして、座る行為をなくす強力な対策です。

しかし、在宅ならいざ知らず、オフィスのデスクを勝手に変えることは許されないため、実現はとても難しいです。ですが、今やスタンディングデスクを採用している企業も増えているため、責任者の方に提案してみればデスクを変えてもらえるかもしれません。

まとめ

全2回にわたりデスクワークに潜むリスクとその対策を紹介しました。今回この記事を読んで気になった方は、ぜひ対策をできる範囲から実施してみてください。

意識して欲しいのは、座り続けている時間を短くすることです。運動する習慣をつけることや一日の中で座った時間を短くすることではありません。間違えないようにしてください。

また、平日に座っている時間が世界で一番長い国は、なんと「日本」なんです。デスクワークで働いている人だけでなく、身の回りの人にもこの記事や対策を教えてあげてください。なにもデスクワークだけが座っている時間ではないのですから。

もしかしたらその行動で、あなたの大切な人が長生きできるかもしれません。

<参考文献>
甲斐裕子,角田憲治,永松俊哉,朽木勤,内田賢(2016)「日本人勤労者における座位行動とメンタルヘルスの関連」,『体力研究』114巻P.1-10,公益財団法人明治安田厚生事業団 体力医学研究所https://www.jstage.jst.go.jp/article/tairyokukenkyu/114/0/114_1/_article/-char/ja/

「座位行動」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000656521.pdf

岡浩一郎,杉山岳巳,井上茂,柴田愛,石井香織,Neville OWEN(2013)「座位行動の科学 行動疫学の枠組みの応用」,『日本健康教育学会誌』第21巻 第2号P.142-153 日本健康教育学会

(2021)「WHO身体活動・座位行動ガイドライン(日本語版)」
http://jaee.umin.jp/news210211.html

日本運動疫学会,国立健康・栄養研究所,東京医科大学公衆衛生学分野,厚生労働科学研究費補助金20FA0601

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